2009年4月17日 (金)

『ねんきん特別便』について⑪

『ねんきん特別便』についての話をこのブログで10回連載してきました。

みなさん、特別便の返送はしましたか?

さて、ひさびさの更新、連載11回目の今回は、この4月から社会保険庁から郵送される『ねんきん定期便』についてです。

『ねんきん特別便』とほぼ同じ形式なので、また来たのかよ!?って思うかもしれません。しかし、ねんきん定期便には特別便では解からなかった、

国民年金保険料の納付状況と、

厚生年金の標準報酬月額が記載されています。

さらに、50歳以上の方の定期便には将来受け取れる年金額の見込額も記載されています。こんなところが特別便との違いです。

通常、この『ねんきん定期便』は35歳、45歳、58歳の誕生月に郵送されるものですが、今年度に限ってはすべての人に送付されます。

ただし問題点があります。それは特別便とリンクしていないところです。定期便の中身を見て、『特別便で記録を訂正して送り返したのに、記録が1つも直ってないじゃん!?』ってお怒りの方もいるかもしれません。

はい、定期便の作成日時点で年金データが修正されていなければ、特別便とほぼ同じ年金記録で送付されてしまいます。年金記録の調査報告に関しては、ピンク色の『ねんきん特別便』でお知らせされることになります。

その記録の調査ですが、社会保険庁の発表によると、持ち主不明の年金記録5千万件のうち記録統合の手続きが終了したのが約4分の1ほど。事務作業にかなりの遅れが出ているようです。

つまり、ピンク色の特別便の調査報告が到着する前に、ねんきん定期便が到着することもあります。

次に、ねんきん定期便には、

水色の封筒で送られてくる『ねんきん定期便』と、

オレンジ色の封筒で送られてくる『ねんきん定期便』があります。

封筒を色分けしているのは特別便と同様の理由で、名寄せされた年金記録のあるなしです。

もし、あなたに送付された定期便の封筒がオレンジ色であった場合には要注意です!

なぜなら、オレンジ色の定期便は、名寄せ作業の結果、あなたのものである可能性が高い年金記録がみつかっているのに、いまだ特別便未回答という方に送付しているからです。

それ以外の方には水色の封筒で定期便が送付されています。もちろん、水色だからといって安心はできません。

次に、年金加入記録回答票ですが、こちらも2種類あります。

封筒の中に、水色の用紙の年金加入記録回答票が入っていたなら、必ず回答して送り返す必要があります。回答のしかたは特別便と同じです。

白色の年金加入記録回答票の場合には、年金記録に間違いがないようなら回答の必要もありません。

ざっと、ねんきん定期便の説明をしてみましたが、いかがでしたでしょうか?

社会保険庁から新たな発表がありましたら、連載の更新をしたいと思います。過去の連載もどうぞ御覧ください。

ねんきん特別便について

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2008年9月27日 (土)

『ねんきん特別便』について10

今回は『専業主婦のねんきん特別便の記載』について説明します。

今現在、厚生年金や共済年金に加入している夫の妻は、国民年金の第3号被保険者になります。

この国民年金の第3号の妻は、保険料の納付は必要なく、納付済期間として年金額に反映されます。

今回のねんきん特別便にも“国民年金”で記載されていますので確認してくださいね。

ただし、第3号の制度ができたのが昭和61年4月1日になりますので、それ以前の期間は第3号被保険者ではなく、国民年金には加入しても加入しなくてもよかったという任意加入の時代でした。

つまり、国民年金に任意加入していなければ、結婚したときから昭和61年4月1日までの間は空白期間(カラ期間)になります。ねんきん特別便にも記載されません。

この空白期間(カラ期間)ですが、基礎年金の受給額にも反映されませんので、もし満額受給に近づけたいのなら、60歳になったときに国民年金に任意加入して保険料を納付する必要があります。カラ期間に関してはこの連載を読んでくださいね。

第3号の方で、よく勘違いされているのが、

夫が厚生年金なので、自分も厚生年金だ。

これは間違いです。厚生年金に加入している夫に扶養される妻は、国民年金の第3号被保険者になります。

あと、自分の保険料は夫の会社から支払われている。

これも厳密には間違いです。第3号被保険者の保険料は、厚生年金の保険料を支払うすべての人から負担されているのです。

つまり、妻がいる人もいない人も、報酬が同じなら厚生年金保険料は同じです。同じように、自分が60歳を過ぎても、夫が支払う厚生年金保険料は変わりません。

さて、まだ『ねんきん特別便』が郵送されていない人にも、10月末までには『ねんきん特別便』が到着して、すべての人への送付が終了します。

まだ、ねんきん特別便が郵送されてなく不安に思っているのであれば、ねんきん特別便専用ダイヤルに問い合わせてみてください。

そのときには基礎年金番号が必要になりますが、電話で自分のねんきん特別便が作成されているのかを教えてもらえます。

もし、何らかの理由で到着していないのであれば、ねんきん特別便を再発行することになります。ねんきん特別便専用ダイヤルでも再発行する手続きができますので、相談してみてください。

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2008年9月19日 (金)

『ねんきん特別便』について⑨

9月に入って、『ねんきん特別便』は国民年金の現役被保険者(無年金者を含む)や会社経由で届く厚生年金現役被保険者にも送付され始めました。

それプラス、今現在、青色のねんきん特別便を回答していない人に、回答を催促するハガキも送付されています。

まず、国民年金の現役被保険者の方で注意してほしいのが、国民年金の未納期間についてです。

連載2回目で説明したように、“国民年金の加入月数の合計”と“納付済月数(免除月数)”との数字が一致していない場合、未納期間が発生している可能性があります。

例えば、

国民年金の加入月数の合計が100月で、
納付済月数(免除月数)が95月の場合、

5ヵ月分の未納期間があります。

ただし、この5月分の未納期間がいつ頃のものなのかは特別便ではわかりませんので、ねんきん特別便専用ダイヤルで聞くか資料請求をして確認する必要があります。

逆の場合もあります。

国民年金の加入月数の合計が95月で、
納付済月数(免除月数)が100月の場合です。

これは保険料を前納しているケースです。5ヵ月分の前納分が特別便に記載されているのです。

次に、会社経由で受け取るねんきん特別便で注意してほしいのが、社会問題化している標準報酬月額です。

厚労大臣いわく、標準報酬月額の改ざん疑惑は6万9千件以上あると認めています。ただ、この標準報酬月額もねんきん特別便には記載されていないので、心配な方はねんきん特別便専用ダイヤルで資料請求をして標準報酬月額を確認する必要があります。

次回は、『専業主婦のねんきん特別便の記載』について解説します。

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2008年8月24日 (日)

『ねんきん特別便』について⑧

連載8回目の今回は、ねんきん特別便での共済年金の記載について説明します。

まず、共済年金の扱いについてですが、共済年金の加入記録は各共済組合が管理しています。基本的に、社会保険庁は共済年金の加入記録を把握していません。

ただし、H9年1月以降、共済組合に加入している人の共済年金の加入記録は社会保険庁でも把握しているので、ねんきん特別便には全期間が記載されています。

では、なぜ、社会保険庁が把握しているのか?

それは、6回目の連載で説明した『基礎年金番号制度』がH9年に導入されたからです。そのときに社会保険庁は、現役共済年金加入者の加入記録を共済組合から受け取って、基礎年金番号に統合しているのです。

逆に、H9年以前に共済年金の資格を喪失している人は、基礎年金番号に共済年金は統合されていないので、ねんきん特別便にも共済年金の記載はありません。

もちろん、年金受給にはなんら問題はありません。

なぜなら、共済年金は各共済組合から支給されますし、社会保険庁は年金裁定時に共済記録を把握し、基礎年金額を計算できるからです。

すでに年金を受給されている人のねんきん特別便には、共済年金の加入期間は昭和36年4月以降から60歳になるまでの期間が記載されています。これは基礎年金部分の期間になっています。

次に、ねんきん特別便の年金加入記録回答票への記入についてですが、

特別便に記載のない共済年金の加入記録は、回答票に記入しても記入しなくてもどちらでも結構です。

ただし、記入して返信することをお薦めします。

今のうちに基礎年金番号に統合しておけば、将来のねんきん定期便を見るときに自分の全加入記録が記載されていれば安心できますから。

回答票には、“もれがある”に○をつけて、共済組合の名称と加入期間を記入します。もし、共済年金の加入期間を覚えていない場合には、各共済組合から送付される加入記録のお知らせを見ていただくか、加入していた共済組合に問い合わせていただいて回答票に加入期間を記入します。

記入して返信していただければ、社会保険業務センターから各共済組合に加入記録の照らし合わせが行われて、1年程度で基礎年金番号に統合されます。

三共済に関しては、H9年4月に厚生年金に統合されていますので、昭和31年7月以降、すべて厚生年金の期間で記載されています。ただし、昭和31年7月以前の加入資格は共済年金のままになっていますので、ねんきん特別便には昭和31年7月以前の加入記録は記載されていません。

話はかわりますが、8月の中旬頃から、現役の国民年金の被保険者の人にも、ねんきん特別便が送付され始めます。国民年金で注意が必要なのは保険料の納付状況です。加入期間と納付済期間を注意して見てくださいね。

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2008年8月 1日 (金)

『ねんきん特別便』について⑦

今回は社保庁が行なった『名寄せ作業』と『新種(黄色ピンク色)の特別便』について説明します。

前回、基礎年金番号について説明しましたが、その基礎年金番号に統合されなかった5000万件の年金記録を、1つ1つデータ上の精査をして、持ち主探しをするのが“名寄せ”という作業です。

まずは、氏名・性別・生年月日が一致する人を探します。

氏名は、同名だけではなくて、漢字の読み方を変えてみたり(例えば、今野をイマノ、コンノで探してみたり)、ツとシ、タカダとタカタなどに変えて持ち主を探します。

生年月日は、±1日で探します。

それと、宙に浮いた年金記録の加入期間と、持ち主の可能性が高い人の他の年金記録の加入期間とが、時期的に重複するのかしないのか、などを調べます。

そんな感じで名寄せ作業を行なって、名寄せのパターンをランク付けしながら、ある年金記録が1人のみに該当するのか、それとも、複数の人に該当しているのかを分類して、持ち主を特定していきます。

それが『名寄せ作業』です!

次に、ねんきん特別便の封筒の色についてですが、以前に青色と緑色の特別便について説明しました。

今回は、黄色のねんきん特別便とピンク色のねんきん特別便について説明します。こちらは、いろいろな憶測(闇の特別便疑惑?)が飛んでいるようですが…。

黄色のねんきん特別便は、すでに回答・返信していただいた『年金加入記録照会票』や『年金加入記録回答票』の記入に不備がある場合にお知らせする特別便です。

決して、新たな手法(住基ネットなど)で名寄せされた特別便ではありません。

記入の不備を直してから、もう一度返信してもらうことになります。

ピンク色のねんきん特別便には、すでに回答していただいた年金記録の調査報告が同封されています。

早い人には、そろそろピンク色のねんきん特別便が届き始めます。

ちなみに、グレー灰色)の特別便は、昭和29年以前の紙台帳(旧台帳)の記録のお知らせになります。

これは所在確認のために送付される特別便です。

次回は、3共済の記載について説明しようと思います。

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2008年7月25日 (金)

『ねんきん特別便』について⑥

今回は『基礎年金番号』について説明します。

で、その前に、今回は『三共済(JR共済、NTT共済、JT共済)とJA共済の取り扱い』について説明しようと思っていたのですが、ねんきん特別便での取り扱いがかなり複雑になっていまして、きちんと説明するためにも時間をかけて調査をしたいので、次回以降の記事にしたいと思います。

さて、基礎年金番号とは何なのか?ですが、

基礎年金番号制度が導入される平成9年1月以前は、1人の年金加入者が複数(国民年金・厚生年金)の年金手帳をもち複数の年金番号をもっていました。さらに、共済組合の組合員には組合員番号が与えられています。

つまり、年金記録が非常に管理しにくい状態だった為、平成9年1月に公的年金共通の年金番号を1人に1つずつ割り振りました。それが基礎年金番号です。

しかし、その基礎年金番号が後に社会問題を引き起こすことになるのです。

それが宙に浮いた5000万件の年金記録問題です。しかも、基礎年金番号を割り振った平成9年1月の時点で、ある程度こうなることは予想ができていたのです。

というのも、基礎年金番号の割り振りの手法ですが、

H9年1月以降に初めて年金制度に加入した人は、新規に発行された年金手帳の記号番号が基礎年金番号になります。

H9年1月の時点で国民年金の1号と3号に加入していた人は、国民年金手帳の記号番号が基礎年金番号になります。

同様に、H9年1月の時点で厚生年金に加入していた人は、厚生年金手帳の記号番号が基礎年金番号になります。

H9年1月の時点で共済組合の組合員だった人は、新規に基礎年金番号が発行されます。

H9年1月以前に年金資格を喪失していて、H9年1月時点で年金制度に未加入状態、その後に年金制度に再加入した人には、最後に加入していた年金制度の記号番号が基礎年金番号になります。手続き上、新規扱いで年金に加入してしまった人は、新規の手帳番号が基礎年金番号になっています。

つまり、複数の年金手帳をお持ちの人は、基礎年金番号への記録もれという社会問題の渦中に巻き込まれてしまうのです。

例えば、H9年1月の時点で国民年金に加入していた人は厚生年金の記録が基礎年金番号から漏れてしまう可能性が高いのです。逆に、H9年1月の時点で厚生年金に加入していた人は国民年金の記録が基礎年金番号から漏れてしまう可能性が高いのです。

漏れてしまうパターンはいくらでもあります。それらの記録もれを基礎年金番号に統合させようとする作業が『ねんきん特別便』の目的なのです。

次回は、社会保険庁が行なった“名寄せ作業”について解説しようと思います。

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2008年7月18日 (金)

『ねんきん特別便』について⑤

今回の5回目は『年金加入記録照会票』『年金加入記録回答票』の記入の仕方を説明します。

その前に、前回『カラ期間』について説明しました。

ただ、某テレビ番組が、このカラ期間の記載について中途半端な説明をしていたようでして、間違った知識で『ねんきん特別便』を見ている人が多いので、この場でひと言だけ付け加えさせて下さい。

まず、某テレビ番組の説明ですが、カラ期間の記載は『共済組合等加入月数』の欄に記載されます、という説明は正しい。カラ期間の記載方法が紛らわしい、という批判も正しい。

ただし、この共済組合等加入月数の欄にカラ期間が記載されるのは“年金受給者のみ!”なのです。

つまり、サラリーマンの夫をもつ専業主婦の人で、年金を受給してない人に送付される特別便には、カラ期間の記載はゼロ月です。

覚えておいて下さいね。カラ期間とは、年金を受給できる年齢に達したときに受給資格期間を満たしていない場合にだけ使われるシロモノです。

さて、5回目の今回は、
青色の特別便に入っている『年金加入記録照会票』と、
緑色の特別便に入っている『年金加入記録回答票』の記入の仕方を説明しようと思います。

まず、社保庁が行なった名寄せ作業の性質上、旧姓時代の年金記録が基礎年金番号に統合されない、あるいは、名寄せされないケースがものすごく多いようです。

旧姓を照会票や回答票に記入することによって名寄せされなかった年金記録を探し出せることが考えられますので、旧姓欄の記入は必須になります!

次に、基礎年金番号に統合されなかった年金記録(記録もれ)の記入方法ですが、

青色の特別便が届いた人は、『ねんきん特別便専用ダイヤル』に電話するか、最寄りの社会保険事務所へ行って、正確な会社名と加入期間(国民年金の記録もれがある人は国民年金加入期間)を聞いて、年金加入記録照会票に記入して下さい。
『お勤め先の所在地(国民年金に加入していた当時の住所)』の欄には、最低でも○○県○○市、まで記入して下さい。

緑色の特別便が届いた人で、基礎年金番号に統合もれがある人は、『お勤め先の名称』の欄にはなるべく正確な会社名(漢字の間違えや、会社名が漢字なのかカタカナなのかなどに注意して下さい)を書き込んで下さい。
『勤務期間(国民年金加入期間)』の欄には、最低でも○○年○○月、まで記入する必要があります。季節でも可とする案内もあるようですが、社保庁の指導では季節の記入では調査できない可能性があるとのこと。

記入を終えたら、照会票にくっ付いている『確認ハガキ』は切り取らずに“訂正がある”を○で囲み、年金受給者は社会保険事務所に提出し、被保険者は返信用封筒に入れて返送します。ちなみに、年金受給者の方でも記録に訂正がない場合には、『確認ハガキ』を切り取って“訂正がない”を○で囲んで返送します。

照会票や回答票に記入された年金記録の有無は、社会保険業務センターに届いてから調査を開始しますが、この調査には6ヵ月ほど時間がかかります。そして調査結果が出次第、その結果が手紙で送付されます。

年金受給者の場合、記録統合後7、8ヵ月後に年金額に反映されます。

この場合、今までに受給できたはずの年金額は『年金時効特例法』によって、年金受給時に遡って、その不足分を一時金で受け取ることになります。

『ねんきん特別便』には返送期限はありませんが、調査には時間がかかりますので、なるべく早く返送して下さいね!

次回の6回目は、三共済(NTT、JR、JT)とJAの年金記録について説明しようと思います。

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2008年7月 4日 (金)

『ねんきん特別便』について④

いよいよ6月末から、現役の年金加入者で記録もれの可能性の低い人にも『ねんきん特別便』が送られ始めた。遅くても10月末までには手元に『ねんきん特別便』が届くことになります。

さて、今回の4回目は、いわゆる『カラ期間』について説明しようと思います。

まずは『カラ期間』とは何か?というと、

基礎年金の年金額を計算するときには全く反映されない期間ではあるが、年金受給資格期間(原則300月)を満たす為には必要となる期間のこと。

例えば、納付済み期間(免除期間含む)が250月の場合、受給資格を得る300月までには50月分足りない。そこでカラ期間が50月以上あれば年金の受給資格を得ることができるようになる。ただし、年金額は250月分だけが反映される。

次に、どんな期間がカラ期間になるのか?というと、主に3つ。

一番多いケースは、昭和61年4月以前にサラリーマンの妻だった時期。

現行の年金法では国民年金の第3号になるサラリーマンの妻は、旧制度の昭和61年4月以前は任意加入の時代だった。

任意加入していれば、国民年金の納付済み期間となり、
任意加入していなければカラ期間となる。

次に多いケースは、厚生年金や共済年金に加入している期間で、20歳未満の期間と60歳以上の期間がカラ期間にあたる。

この時期は厚生年金や共済年金の年金額には反映されるが、基礎年金額には反映されない。

そして、もう1つ。
昭和36年4月以降に厚生年金に加入していて、脱退手当金で厚生年金を清算している期間がカラ期間となる。

そんなカラ期間ですけど、
『ねんきん特別便』に同封されている“年金記録のお知らせ”には、「共済組合等加入月数」欄の中にカラ期間が紛れ込んでいる。

つまり、共済組合の加入月数にプラスしてカラ期間分が加算されているので、非常にわかりにくい表記になっているのだ。

特に女性は注意が必要です!

『ねんきん特別便専用ダイヤル』に寄せられる質問の中でも問い合わせが多のが、

「年金加入期間合計」に「共済組合等加入月数」をプラスしても「合計加入期間」にならない、という質問です。

その答えは、「共済組合等加入月数」の中に不必要になっているカラ期間が含まれている場合があるからです。

次回は、『照会票』『回答票』の書き方について、解説しようと思います。

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2008年6月22日 (日)

『ねんきん特別便』について③

前回は『ねんきん特別便』の国民年金欄の“加入月数”と“加入期間”の違いについて説明してみました。

未納期間や納付が確認できない状態になっていると、国民年金の加入月数と加入期間の数字に不一致が生じます。

さて、今回は、厚生年金の欄の“加入月数”と“加入期間”の違いについてです。

当然ですが、厚生年金は未納といったことは生じませんから、加入月数と加入期間の数字は一致しています。

ただ、不一致になるケースがあります。

それは、60歳超の会社員の場合です。厚生年金は70歳まで加入できますから、団塊の世代で今現在も働かれている方は、厚生年金の加入月数と加入期間の数字は不一致になっています。

どういうことかというと、『加入期間』の数字は、本人が60歳になったときの月数のままストップしているからです。この数字が60歳の年金額の計算の基礎になっています。

そして65歳の年金額再計算のときに、再び、加入月数と加入期間の数字が一致します。例えば、65歳まで働き続けた場合には60ヵ月分が加入期間に加わって、加入月数と一致します。

さらに、65歳を超えると再び不一致が生じ、退職時または70歳到達時に一致します。

余談ですが、鉱山で働いていた方は被保険者期間の特例という制度がありまして、加入期間のほうの数字が3分の4倍あるいは5分の6倍になりますので、加入月数と加入期間の数字は年齢に関係なく不一致になっています。

次回は、いわゆる『カラ期間』がある場合について説明しようと思います。

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2008年6月20日 (金)

『ねんきん特別便』について②

前回は『ねんきん特別便』の封筒の色について説明してみました。

青色の封筒が名寄せ対象者の特別便で、緑色(若草色)の封筒が名寄せ対象外の人の特別便。ただ、緑色の特別便でも、基礎年金番号に統合できていない年金記録が、いまだに2016万件あることからもわかるとおり、名寄せ自体を絶対的に信用することはできない。

さて、今回は『ねんきん特別便専用ダイヤル』に問い合わされる質問のなかで、比重の高いものを紹介しようと思います。

まず、特別便を受け取った人は、『あなたの加入記録』の欄を見ることになります。

そこで、当時のことを思い出しながら、加入していた年金の種類や、働いていた期間を突き合わせてみる。

もし、年金記録の資格の取得と喪失、喪失と取得の年月日が連続していない場合、“記録もれ”や“記録が失われた可能性”がある、ということになります。

次に、『加入月数』と『加入期間』を確認します。

加入月数と加入期間の違いは分かりづらいのですが、

国民年金の場合、

加入月数の合計』とは、国民年金に加入していた全月数のことで、

加入期間』とは、保険料を納付(免除)した月数の合計になっています。通常、ここは一致している。

もし、この数字が違う場合には、保険料の“未納”あるいは“データ上、納付が確認できない状態”になっています。“納付が確認できない”というのは、社会問題化した保険料の搾取や、記録の未統合のケースが考えられます。

もし、搾取や記録の未統合の可能性がある場合には、照会票や回答票にその期間と当時の住所を書いて、年金受給者は最寄りの社会保険事務所へ、被保険者は照会票や回答票を返送する必要があります。

次回は、厚生年金の『加入月数』と『加入期間』の説明をしたいと思います。

余談ですが、遺族年金を受給している人や、選択権をもっている人には、ねんきん特別便が2通郵送されてきます。

1通が本人の加入記録で、もう1通が亡くなられた人の加入記録です。

この亡くなられた人の特別便には、亡くなられた人の生年月日が記載されていますが、返送には本人の名前と生年月日で返送してください。

『死亡しているのに、なぜ特別便が送られてくるのか?』と驚かれて、問い合わせする人が多いようです。

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