2009年6月13日 (土)

小説『マグマ』を読んで

今、『マグマ』という小説を読んでいる。

小説『マグマ』を読んで

真山仁さんの小説で、現在公開中の映画『ハゲタカ』の原作者だ。

すでにオイラは『ハゲタカ』と、バイアウト改め『ハゲタカ2』は読んでいる。『虚像(メディア)の砦』も読んだ。これから新作の『レッドゾーン』も読もうと思っているのだけど、まずは『マグマ』の読むことにした。

今は第一章(逆境)を読み終えたところ。どんなオープニングだったかというと、

主人公は野上妙子という若きビジネスウーマン。勤めているのは六本木ヒルズの上層階にある『ゴールドバーグキャピタル』という外資系ファンドで、人は“ハゲタカファンド”と呼んでいる場所だ。

妙子はいつものように出社する。そんなシーンから物語は始まるのだけど、そこで予想だにしなかった景色を目のあたりにするのです!

妙子の上司は待田という男。いったい彼が何をたくらんでいるのかはわからない。なんせ、妙子が必死にバイアウトした日本重工業開発という特殊鋼の豊富な技術をもつ会社を妙子の知らないうちに外資に売ってしまっていたのだ。儲けは100億円だという。

そんな待田が妙子に命じたのが、日本地熱開発という会社の企業再生だった。

こんな感じで第2章に続くようです。

さて、オイラが気になるのは野上妙子という女性です。経歴は東大を卒業したあとにコロンビア大学でMBAを取得している。

企業再生に興味を持ち、ゴールドバーグキャピタルに入社。大型買収案件を成功させている。

つまりは、男性顔負けのキャリアを誇っているわけです。しかも美貌で長身なのに、女を武器にすることを嫌っている。そんな女性です。

そんな妙子でも、地熱による爆発音にはびっくりして座り込んでしまったり、安藤の“悩殺の微笑み”に赤面してしまう、ちょっとウブな普通の女性なのです。

それにしても、いったい“悩殺の微笑み”とはどんな技なのでしょうかね!?

オイラの安藤のイメージは長谷川初範そのものです。

まぁ、いいか。

そんな悩殺の微笑みに見惚れてしまう妙子ですが、CEOとして日本地熱開発の再生に成功するのでしょうか?

そして、そもそもなぜ待田は妙子を日本地熱開発に送り込んだのか?

第2章が楽しみだ!

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2006年2月 8日 (水)

『兜の億マン』(松川広実)

株式投資がこれだけ注目されて、多くの個人投資家が生まれた反面、株式市場に乱れがあるのも事実だろう。
ライブドアショックやオリジン東秀をめぐってのTOB合戦・・・ 株が新たなギャンブルの仲間入りした感もある。

とにもかくにも、これから株を始めようとする人も、すでに株式投資をしている人にも、おすすめの本がこれ!

兜の億マン~この株で儲けさせて頂きます~』(文芸社)

内容を少し紹介すると、
主人公・億田昇平がとある老人と出会うところから物語は始まる。
この老人・難吉じいさんは株の世界では“兜の億マン”と呼ばれていて、株式市場のバランスを陰で支える人物だった。 だが、難吉じいさんは昇平を“兜の億マン”の後継者候補に指名して死んでしまう。

後継者になる決心をした昇平は、難吉じいさんに課された7つの課題にチャレンジする。
その7つの課題とは、
①機関投資家を追随せよ。そして、それによって得られたものを答えよ。
②株式指標と株価の関係とは何か?
③「株に投資するな、会社に投資しろ」の意味を明確に答えよ。
④株式投資による“先人の格言”を立証せよ。
⑤株式総会に出席せよ。そして、それによって得られたことを答えよ。
⑥10(テン)バーガーを探せ。
⑦兜の億マンとして、株式投資で1番必要なものとは何か?

そんな中、ブラックインベスターと呼ばれる氷山圭介が昇平の前に現れる。
この男がターゲットにした株はめちゃくちゃにされ、会社は倒産に追い込まれてしまう。 まさに株式市場のバランスを崩してしまう男だ。
この男と昇平は対決することに・・・

昇平は“兜の億マン”になれるのか?
ブッラクインベスター氷山圭介に勝てるのか?

是非面白いので、ご一読を!

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2006年1月 8日 (日)

『あおぞら』(星野夏)

あおぞら』(ポプラ社)
すがすがしさを感じる本のタイトルなんだけど、その内容は女の子の青春時代とはほど遠い内容の実話。
何度ものレイプ、脅迫、売春を経験し、何度も自分の腕をカッターで切り刻む・・・現実に絶望してしまった少女『夏』の手記。

オイラはこの本を読みながらショックを受けてしまいましたよぉ!
自分の過去を背負いきれず苦しむ“夏ちゃん”が心配でさぁ・・・
だって、男を憎むために自分を売ってしまい、そんな自分が汚いからと手首を切ってしまう中学生の心理は想像できないじゃん!

そんな夏ちゃんも高校生になると、『こぅちゃん』という彼氏と運命的な出会いをする。
『こぅちゃん』は、夏の過去をすべて受け止め、それでも愛し合える運命の人。
それなのに現実とは残酷なもので、幸せは長くは続かない
夏の人生が輝き始めたとき、こぅちゃんは事故で死んでしまう・・・

あおぞら』を読んだ感想として、
この本のタイトルと内容のギャップの差に戸惑いながらオイラは読んでいたけど、後半は涙をこらえながら夏ちゃんを応援してましたよぉ!
“こぅちゃんの死”から立ち直っていけるのだろうか!? 夏ちゃんは一人で大丈夫なんだろうか!? ・・・とハラハラしたけど、家族や友達に支えられ、“こうちゃんとの思い出”が心の支えになっていたことに感動したぁ!
そのことに夏ちゃん自身が気づいたからこそ、『生きていくね』という言葉が夏ちゃんの心から湧き出てきて、そのときの夏ちゃんの心が“あおぞら”のように澄みきっていたのだと、オイラは理解しました!
それがこの本のタイトル『あおぞら』なんでしょ?

現在、夏ちゃんは18歳。
どっかで“こぅちゃん”を想い、生きている。

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2005年12月 5日 (月)

真保裕一『灰色の北壁』(講談社)

オイラが最近読んだ小説のなかで面白かったのが、『灰色の北壁
『灰色の北壁』は、雪山を舞台にした3つの小説 「黒部の羆」「灰色の北壁」「雪の慰霊碑」 を1冊の本にまとめたもの。
それぞれに臨場感、スリル感、そして雪山の厳しさが描かれているのだが、その中でも「灰色の北壁」は絶品!なので紹介します。

世界のトップクライマーに恐れられた山がある。
その山の名は、カスール・べーラ またの名はホワイトタワー
ヒマラヤ山脈の中にあり、標高が7981メートルの山。
最高峰のエベレストが8848メートルなので、一際高い山とはいえないのだが、地理的な位置から偏西風がまともに衝突し、頂上の天候条件は比類なく厳しい!
その厳しさを “酸素は絶望的に薄く、体感温度は零下30度を下回る” と表現されている。

さらにカスール・べーラの北壁は、頂上までの約3キロを氷に覆われた垂直の岩肌で続き、難攻不落のタワーと呼ばれた。
そこを単独で、しかも軽装備で登るのだ!

この小説では、カスール・べーラの北壁を舞台にしている。

物語のはじまりは、刈谷修という男の死からはじまる。
刈谷修はカスール・べーラの北壁を世界で初めて、登頂に成功した人物なのだが、その成功に疑惑が向けられていた。
疑惑の理由は1枚の写真にある。
カスール・べーラの頂きで撮られた刈谷の1枚の証拠写真が、以前にカスール・べーラの南東稜から登頂に成功した御田村良弘の証拠写真に似ていたからだ!
しかも偽造写真の可能性を密告したのが御田村良弘本人だったのだ!

刈谷修はその疑惑の釈明をせずに死んでしまう。
刈谷が黙っていたのには理由があったのだが・・・

刈谷の死を知った御田村良弘はハードトレーニングを始める。
その理由は、カスール・べーラを超難関の北壁から登るためなのだが、
以前に自分が撮ったカスール・べーラの登頂写真にこそ重大な間違いがあったことを御田村は知ってしまったのだ!
その間違いとは・・・

といった物語です。
その他の2つの作品も面白いので、どうぞ読んでみて下され!

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2005年10月30日 (日)

『 県庁の星 』役人エンターテインメント

県庁の星』という小説、マジでおもしろかったぁ!
どれだけ面白いのかというと、織田裕二が主演で映画化になるぐらい!!
だって織田裕二は原作を自分で選ぶからねぇ~

この小説の内容を少し紹介すると、

県庁のエリート役人である主人公の野村聡が、民間企業で1年間の派遣研修に参加するという話なのだが、
野村が派遣された場所がなんと郊外のスーパーだった!
役人根性まるだしのエリート役人がスーパーの店員になるのだ!

スーパーの色々な業務を嫌々ながらやるのだが、
惣菜担当になったとき、『ケンチョウさん(このスーパーではケンチョウと呼ばれている)』はひどい現実を目にしてしまう・・・

消費期限切れの肉を、ハンバーグやシュウマイに、じゃがいもをポテトサラダやコロッケに加工して販売しているのだ!?
役人として自分が担当する場所で問題が起こっては、自分のキャリアに傷がつくので、期限内の食材を使おうと言い出すのだが、単価が上がるので受け入れられない・・・

そこで惣菜担当を2チームに分けて、
期限内の食材を使うAチームと、今までどおりの不正食材を使うBチームに分けることになった。
もちろん『ケンチョウさん』はAチーム、食中毒が起こっても知らんぷり出来るのだ!

そしてAチームとBチームは、1ヶ月の売上利益を競うことになるのだが、役人は競争原理を知らないので負けてしまう。しかも原価が高いというハンデ!?がある。
負けることはエリート役人のプライドが傷つくので、商品開発に無我夢中になっていく・・・

というお話!
しかも、このスーパーは問題が山積み・・・

映画が楽しみだぁ! 
織田裕二がケンチョウさんとハッピーマンをどう演じるのだろう・・・!?
かなり面白そう!!

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